4月8日
休み。サウナへ。微妙に気まずい知り合いがいて、気づかれないようにタオルで股間より顔を隠していた。そして高えフィルムも届いたし桜も見頃ということでお散歩。ついに私のカメラデビュー戦!
シャッターを押してはみるものの、撮れているのかわからない…。デジカメって便利なんだなぁ。
いい味の写真が撮れていると思いたい。4月9日
まさかの連休。朝から豪雨の中コインランドリーへ行き、その後はずっと引きこもってトラックを作っていた。夜はとある会合にお招きいただき、いわゆる「フッ軽」な山岸くんはホイホイ参加する。
お台場のホテルで高級ビュッフェ、参加費無料。そんなうまい話があるかと思って行ったら、あった。
なんか、おいしいお肉!
いっぱい食べて元を取るぞー(自分のお金ではない)と気合いを入れて臨んだが、すぐにお腹いっぱい胸いっぱい夢いっぱいになってしまった庶民の私。ご縁に感謝。
4月10日
思い立って久しぶりに体育館のジムへ。会員証の有効期限が平成34年となっており、どこからどう見ても切れているが、しれっと提示してみたら、案の定ゼロからやり直しとのことでオリエンテーションから。ジムも出戻り、職場も出戻り、なんなら実家も出戻り。出戻りの多い人生である。
そして夜勤。運動して夜勤行くと眠くなるという当たり前のことを学習した。4月11日
夜勤明けでちょいと仮眠して悪夢を見て、夕方から副業。
4月12日
また動物園へ。新作のMVに使用するための印象的な風景を撮影するために買い与えられたカメラで、普通にパンダを撮ってしまった。双子の子パンダは平日にもかかわらず100分待ちというディズニーランド並みの列ができていたので、私は親御さんの方で十分満足。
父か母かどっちか。
あの後方にそびえるタワマンの最上階を買えば毎日家からパンダ見えるのかな。(年間パスポートを買え)
4月13日
昼からロングシフト。歯医者を一日に2回予約して2回キャンセルした。電話対応してくれた受付のお姉さんの「またお前か!」感にちょっとドキドキしてしまった私はM男なのだろうか。「ちゃんとスケジュール確認してから電話してこいや」と思ったことだろう。まったくそのとおりである。申し訳ない。
4月14日
西早稲田BLAH BLAH BLAHで小倉範彦とツーマンという新たな試み。先攻の小倉先生は美術の授業(孫悟空の模写)に、名物BOØWY叩き語りメドレー。一人でBOØWY4人のGIGSを再現するという名人芸というか宴会芸である。ウラニーノの音源を流してドラムを叩くシーンでは、「ウラニーノのライブを客席から見てみたい」という物理的に叶わない夢が半分叶った気がした。
私は「小倉範彦」というコンセプトでセットリストを組んだ。後半は、私が所有している膨大な小倉範彦の肉声の音声データを編集しサンプリングするという気の遠くなるような作業の果てに完成したトラック、通称「メカオグラくん」を再生して共演した。
お客さんに孫悟空を模写させ、回収して採点までして返却した小倉先生。私は「B+」という忖度なしのリアルな評価であった。
「一人もいいけど、一緒に演奏すると楽しいね」という、小学校二年生の音楽の授業の学習目標のような学びを得た一日だった。
「小倉範彦という男」(ライブ冒頭で読み上げた原稿)
ウラニーノのメンバーであり、私と25年のつき合いになる小倉範彦。人生でこんなに長く特定の人と一緒にいることはない。しかし、私にとって小倉範彦という存在はなんなのかと改めて考えると、意外とうまい言葉が見つからない。親友というほど小っ恥ずかしい関係ではないし、ビジネスパートナーと割り切るほどドライでもない。よく飲みに行く友達はむしろ他にいるし、小倉範彦と2人きりで飲んだことは25年でおそらく2回くらいしかない。
お互いのプライベートはなんとなく把握してはいるものの、そこに干渉することもなければ関わり合うこともほとんどない。仕事以外の連絡はほとんど取らないが、かと思えば唐突にすき家の新商品の情報が送られてきたりする。
遠すぎず近すぎない、絶妙な距離感だからこそ続いているのかもしれない。
しかし、やはり長く近くで見ているだけあって、恥ずかしながら小倉範彦は誰よりも私という人間を理解しているようにも思う。
私がめんどくさい性格を発動すると、小倉範彦は絶妙なタイミングでスッと身を引き、放置する。それがゆえにケンカになることはまずない。それが私の性格を見抜いた上での行動か、長年の経験でなんとなく身につけていて自然とそうしているのかはわからないが、そういった私の扱いは実に見事であると思う。
では一方で、私はどの程度小倉範彦という男を理解しているか。
仰々しく分析するのも野暮なので、羅列してみようと思う。
決して遅刻はしないが、片付けはできない。
しっかりと人に気を使える割に、デリカシーはとことんない。
どこでもうんこはできるくせに、枕が変わると眠れない。
自由奔放な面と繊細な面を絶妙に合わせ持ち、柔軟さの芯には強固なこだわりを持つ。
誰とでもすぐに仲良くなれる社交性を持ちながらフットワークは意外と重く、
芸術に対しては枠に囚われない大胆な表現スタイルを取りながら、自らの生活スタイルに対しては極めて保守的。
驚くことに、これらの特性をすべて真逆にしたものが、私であることに気づく。
長く続くということは、そういうことなのかなとも思う。
今日はいい機会なので、私のステージは「小倉範彦」というコンセプトで組んでみた。一緒に演奏をするわけではないが、楽曲やパフォーマンスの随所にチラつく小倉範彦の影を感じて楽しんでいただければと思う。