やまぎ日報44

9月3日

レコーディング。小倉くんとエンジニアの阿部さんと3人だけのレコーディング。「せーの」で同時にドラムとアコギを録る。すごくいい音。それから歌を録る。歌は何本か歌って、いいところを選んでいく。いつも佐久間さんがやってくれてた作業。佐久間さんはもういない。自分でやる。佐久間さんがやってたのをマネて。そう。これからは自分でやっていくのだ。「佐久間さん、見ててくださいね」と思う。「中年花火」という、追悼の曲。絶対に世に出す。


 

9月4日

ETCの明細を出したくてログインを試みるが、パスワードも登録したメールアドレスさえ思い出せない。再発行のための「秘密の質問」すら自分で設定しておきながら答えられない。あなたの出身地、行ってみたい国、好きな映画、全て当たらない。最後の方は答えを混同して「出身地」を「インド」と答えてしまう。当たるはずがない。諦めて直接お客様センターに電話をして問い合わせたところ、ぼくのETCカードで事務所のスタッフさんが登録しているので、ぼくはそもそも登録すらしていないことがわかった。秘密の質問に答え続けた1時間は何だったのだろう。失意のまま夜勤へ。台風の影響か、誰一人として来ない。電話もならない。あまりにひますぎて、自分の存在が何なのかさえわからず震えていた38の夜。