やまぎ日報229

8月2日

再び夜勤。7月末からなぜかいじめのようなシフトになっており、勤務記録上7日間で10日出勤することになっている。一人、宇宙にでも行っているようなタイムパラドックス状態である。年代的にも趣味的にもまったく共通の話題がない後輩が、「山岸さん、ぼくメガネを新調しました」と話しかけてくれてほっこりした。ぼくも何かしらを新調して話題を作ろうと思った。

8月3日

帰宅しちょっと休んで再び夜勤。週5で病院に泊まっていたら、それはもはや入院患者と同じではないかと思う。いつもお世話になっている日勤のお姉さまが労いのアリナミンVをくれる。バファリンの半分がやさしさでできていると知った時、錠剤を飲むのが苦手だったぼくは「やさしさは不要なので大きさを半分にしてほしい。それが本当のやさしさではないか」と製薬会社に本気で電話しようと思ったものだが、もらったアリナミンは半分どころかほぼやさしさでできているのではないかと思うほど染みた。同僚がお肌のゴールデンタイムに休憩に行ってしまったので、忙しい時間帯をヒーヒー言いながらワンオペで回す。休憩のタイミングで頭の中で長州力が「寝てみ。飛ぶぞ!」と言った。飛んだ。

8月4日

下北沢でロンドンと風間くんと弾き語りライブ。連勤のご褒美のような楽しい1日だった。最近ヒップホップばかり聴いてるのにアンコールのフリースタイルのラップが全然できなくて超凹んだ。もっと凹むところあるだろ山岸。

8月5日

昼ころ群馬の小倉とリモートラジオ収録。そして夜勤。再び病院へ逆戻り。ある意味自らを病院送り。昨日はステージに一緒にいた風間くんと受付の中にいた。深夜に待合にゴキブリが出現し、患者さんに見つからないようにアイコンタクトで看護師さんから始末を命じられたぼくは、とっさにベンサンでふわっと足の裏で押さえた。しかしそこでフリーズして動けなくなり立ち尽くしていたところを同僚が救援に来てくれて、足の裏のゴキをティッシュで潰してくれた。ゴキブリは怖くないけど愛用のベンサンが汚れることがこわかった。

8月6日

勤務を終え、「今日はやっと久しぶりに休みだー」と言ったら後輩に「山岸さん、夜勤明けは休みとカウントしませんよ」と諭される。となると13連勤となるのか。休みとカウントした方が幸せになれる気がした。近所のスーパー銭湯でゆるく整い、買い物をして帰宅。夜はおいしい魚を焼いて食べた。寝る前の記憶がない。

8月7日

朝からベンサンの仕分け作業。夕方から夜勤。職場のいわゆるオタクの同僚たちが各々の技術を結集してVチューバーを作り出しゲーム実況を行おうというプロジェクトが動き出している。素敵なことだと思う。音楽を作り続けることよりもよほど未来があるのかなと少しさみしくなった。働きすぎて情緒が不安定。

8月8日

吉祥寺で久しぶりのウラニーノライブ、小倉ドラマーが県を2つまたいで東京入り。ようこそ火事場へ。「夏祭り」ということでステージで浴衣を着た小倉ドラマーだったが、あのドラムプレイでは当然すぐにはだけてしまい、慰安旅行で温泉旅館に来た上司の宴会での最終形態のようになっていた。久しぶりの「ファーマーの長男」は、お客さんの反応がイマイチであり、これは緊急事態宣言下でのライブイベントということで賢明なお客様が発声を極力控えているのであって、決して滑っているのではないと自らに言い聞かせていた。終わって搬出して機材車でファニコン配信。サウナばりに汗をかいたため帰って飲んだビールが格別であった。ライブハウスでみんなと打ち上げができる日が早く来ることを祈るばかり。

都会に溶け込むウラニーノベンサン。スタイリッシュ。カフェのテラス席に実に合う(個人の見解です)

楽屋にあった。不安を抱えてステージに向かった人がいたようだ。みんな自分と戦いながらステージに立っているのだなぁと思った。

同時更新「黒やまぎ日報」は月額500円のファニコン会員限定公開!お待ちしてます。
https://fanicon.net/fancommunities/3744