やまぎ日報71

12月19日

ウラニーノ公式通販サイトがオープン。梱包、発送作業は全て小倉と手分けして行う。家のリビングがリアル「ダンボールに囲まれて」状態となり、まるで内職のバイトを始めたようだ。今の時代、住所をパソコンで打ち出したりしてなんやかんやする手段がいくらでもあるんだろうが、とりあえず手書きでがんばっている。日本全国からたくさん注文をいただき、大変だけど本当にうれしい。

12月20日

夜勤。リストカットどころではなく、腹部に自ら包丁を突き刺した人が運ばれてきた。平成のこの時代に切腹を試みるような日本男児がいることに驚いた。命が助かってよかった。同僚と話をしていて、「趣味はなんですか?」と聞かれて答えられなかった。ぼくの趣味はなんだろう。

12月21日

再びレコーディング。ギターと歌録りだったので出番はぼくだけだったのだが、小倉くんもしあわせも来てくれた。後楽園のスタバの前のベンチがパワースポットらしく、ぼくがギターを録音している間に2人で行ってきたそうだ。


 なんだろう。全然パワースポットに見えない。

12月22日

朝から寒い。暖房をつけても寒い。これは寒いのではなく、悪寒だと気づいたら急に熱が上がってきた。しかし夜勤には行かなくてはならない。皮肉にも私のバイトは病院の受付、「絶対この人より自分の方がつらい」と思いながら来院患者の受付を行う。いつしか来る患者一人一人を「自分とどっちがつらいか」と格付けするゲームを一人で始めていた。明らかに負けたのは酔っ払って自転車で転倒して顔面を5針縫ったおじさんだけだった。あれは負けた。あんたの方がつらい。結局深夜までがんばり、イダパイセンに頼んで少し早めに帰らせてもらった。

12月23日

熱は少し下がったが相変わらずおかんが走る。うちの実家ではむしろおとんが走るのだが。寒い。いろんな意味で寒い。寒い寒いと言いながら梱包・発送作業は続く。うちの近所のコンビニ2ヶ所で売ってるレターパックはほぼぼくが買い占めてしまったように思う。コンビニの店員さんに陰で「レターパックおじさん」と呼ばれてそうでこわい。

12月24日

ハルさんとリハーサル。ハルさんが見つけた埼玉の上尾にあるスタジオ。実はウラニーノとも縁があるスタジオだった。自称「摩訶不思議なミス」と不可抗力な事件が重なり、ハルさんがスタジオに現れたのは予定より1時間半後だった。リハ中にその話を聞いて、やはりこの人は「持ってる」のだなぁと確信した。ベースはすごい。もう、歌ってて聞き惚れてニヤけちゃうくらいすごい。一睡もしていないハルさんと別れ、中年花火でチェロを弾いてくれた櫻井さんがクリスマスコンサートをやってるぞということで、会いに行った。さいたま新都心のコクーンというとこでフルートの横田さんたち(オトノハコブネ)の皆さんと。本番は間に合わなかったのに、楽屋でちゃっかりコーヒーをご馳走になった。イブだしチキンを買って帰ろうと思って見てみたけど、「こっちがいいや」と焼き鳥を買って帰った。一応チキンだし。

12月25日

旧譜が売り切れたので、事務所に取りに行った。「すみません、ありがとうございます」と言って受け取ったら、社長に「こちらこそお買い上げありがとうございます」と言われた。そうか、買い取ってるのだ。事務所もいろいろと変わるらしく、荷物が積んであった。ぼくのアンプとかまだ置いてある。早く持って帰らなきゃいけないのだけど、とりあえずお茶を濁して帰った。また寒気がしてきて再び38度の熱が出た。毛布にくるまってガタガタ震えながら仕事のメールを返したりしてた。なぜ毎年クリスマスはつらいのだろう。

12月26日

朝一で近所の内科へ行った。マスクをしていったのだが、診察室で先生と話すときにマスクを少しずらして話そうとしたら、「外さないで!マスクしてて!」と怒られた。その後も検査で鼻の奥の粘膜取るときにマスクずらしたら、「鼻だけでいいから!マスクして!」と、終始病原菌扱いされて非常に不快だった。二度と来るか馬鹿野郎と、診察券も捨てて帰った。
しかし薬は効いたのか午後から具合はすっかりよくなり、下北沢へ。ハルさんイベント、全バンドのベースがハルさん。ウラニーノも本当に愛情を持って且つガシガシに攻めたベースを弾いてくれて本当にすごかった。この日はウラニーノが最若手。強烈すぎる先輩たちの姿に、感動を通り越して若干引いた(笑)それくらいすごかった。ハルさん、本当にありがとう。あなたと一緒に演奏できることは、まさに「バンドマン冥利に尽きる」という幸せです。これからもウラニーノをよろしくお願いします。