やまぎ日報73

12月30日

忘年会でもブッキングすればよかったのに、ぽっかりと空いてしまった年の瀬。大晦日はバイトだし今日はゆっくりしようと決めて、夕方から一人で映画を観に行った。ボヘミアンラプソディ、素晴らしかった。ちょうどみんながグレイやラルクを聴いていた時、ぼくはクイーンを聴きまくっていた。誰とも話ができなかった。今なら日本中の人と話ができるんだなと思うと嬉しくてしかたがない。余韻が冷めず気が大きくなってしまい、スーパーで高い刺身を買って帰った。クイーンズ伊勢丹だったらよかったのだけど、西友だった。

12月31日

あまり誰も入りたがらない(そりゃそうだ)年越し夜勤に入った。病院で年を越したい人なんていない。だからそんなに混まないだろうと思っていたら、ずいぶん混んだ。業務に追われいつのまにか年を越しており、世捨て人のような気持ちになった。来年は家かステージがいいなと思った。

1月1日

夜勤明けの元旦、コンビニでおでんを買って帰り朝からビールを飲んだ。ソファーで適当に眠り、目が覚めたらピザを頼んでまたビールを飲んだ。夜はスーパーで値段を見ないで刺身を買った。何をしても「正月くらいいいではないか」と思えるから、正月っていい。

1月2日

実家へ。ウラニーノの影のマネージャーの姉に年始からずいぶんケツを叩かれた。もっとたくさんの人に聴いてもらうためにできることが山ほどあると。「売れない」とか「わかってもらえない」とかそういう弱音は、それを全部やってから言えと。全部やって売れなかったらその時は潔く諦めろと。正論すぎてお節料理が鼻から出るかと思った。お酒がだいぶ入ってくると爆音で好きな音楽を流し始める山岸家の正月、姉が流すアシッドマンやバースデイに、父がレ・ミゼラブルで割り込む。カオスである。ダメ出しとハッパをかけられて気が動転しているぼくがテイラースウィフトを流したら「なんじゃそりゃ!」と激しく姉に突っ込まれた。そりゃそうだ。最終的にみんなで賞賛しながらクイーンのライブ映像を観た。

1月3日

初めて本物の自衛隊に、現役自衛官の親戚のお兄さんに、日陰者を聴いてもらった。「なんじゃこりゃー!」とぶっ飛ばされたらどうしようとドキドキしたが、歌詞をじっくりと読んでくれて、すごく嬉しい感想をいただけた。そして初めて自衛隊の人のリアルな言葉を聞けた。

1月4日

人の家で12時間眠り続け、起きてすぐにお風呂も入らずに外食に連れて行ってもらいご馳走になった。いろいろちゃんとしなくては、と思った。