やまぎ日報404「本音と建前」

10月7日

夜勤。同僚が新人のおばちゃんに対して親の仇かと思うくらいの厳しい指導を行なっている。私はそばでタジタジしている。おばちゃん辞めちゃうんじゃないかと毎回思うが、意外と辞めない。もしかしたら共依存の関係が成り立っているのかもしれない。いずれにしても変に巻き込まれないように、私はただ傍でタジタジするというポジションに徹する。

 

10月8日

ギターを入れ替えるために実家に寄る。両親は「ギターも季節によって衣替えがあるものなのか」と訝しがっていた。ついでに地元の行列のできる人気ラーメン屋さんに行ってみた。


一日50食限定のラーメンの50食目だったようで、私で終了となった。お上品で大変おいしかった。

小倉家の近くのコストコまで足を伸ばしたが小倉くんには会わなかった。

 

10月9日

休み。サウナ行って帰り道のお寿司屋さんで4皿お寿司を食べるというのが私の至福の休日。2,000円で買える至福。Netflixで「極悪女王」を観て泣いた。地上波テレビの時代は終わったと確信した。

 

10月10日

渋谷でレコーディング。ハルさんに来てもらってベースを入れてもらう。


うめえ…


普段はあまりスタジオに来ないレアキャラ小倉も珍しく現れたので、すかさず捕獲しコーラスを録る。

私は何もしていない。

 

10月11日

昔よくウラニーノのライブのPAをやってくれていた矢田さんが8月に亡くなったので、思い出の六本木の会場で矢田さんを偲ぶ会。私も3曲ほど弾き語りで歌わせてもらった。もうちょっと長生きしてほしかったが、矢田さんは医者の言うことをまったく聞かず好きに生きたらしい。それもまた幸せな人生なのかもしれない。私は今のところ医者の言うことは素直に聞いて細く長く生きたいなと思っている。結果、細く短くになったらトホホなのだけど。


音楽とそれぞれの想いが溢れたいい夜だった。

ところで。六本木は駐車場がとにかく高い。ミッドタウンの駐車場に停めたのだが、10,000円以上買い物すると4時間無料とのことで、金銭感覚がおかしくなり危うく40,000円のスニーカーを買うところだった。さすが欲望の街。

 

10月11日

雇用保険の「被保険者番号」というのが手続き上必要になり、普通職場に聞いたら教えてくれるものなのに、病院のマネージャーに聞いたら「わからないからハローワークに問い合わせてくれ」と。雇用主がわからないなんてそんなバカな話あるかと思いながらも、ハローワークに出向いて再交付を申請するよりは実家のどこかにあるであろう雇用保険者証を探し当てる方が早いと判断した山岸くん、今週2度めの帰省。実家の自分の部屋の押入れのダンボールの奥底から見事に雇用保険者証を掘り当てる。獲ったどー!の感覚である。目的を果たしトンボ返りで東京に戻る。たぶん両親には「最近やたら帰ってくるな長男」と思われている。

 

10月12日

ロングシフト。研修が多い一日であった。研修後の小テストで、「A.お客様のニーズに応えるために誠心誠意がんばる」or「B.時給の範囲内でほどほどにがんばる」という究極の二択の設問があり、手が止まった。こんなに美しい本音と建前があるだろうか。かつて運転免許の適性検査で「死にたいと思うことがよくある」という設問に正直に「Yes」と回答し、適性検査を落ちた大学の後輩を思い出した。正直者が生きづらい社会である。