やまぎ日報206

3月2日

下北沢劇小劇場というところで、若手演出家コンクール最終審査。そもそもよくわかっていないというか聞かされていない山岸くんは、とりあえず指定された時間にのこのこと下北沢へ。そこから、慌ただしく搬入が始まり、気がついたら本番が始まっており、気がついたら終わっていた。まさにそんな感じの初舞台であった。テキパキと動く劇団員やスタッフさんの邪魔にだけはならないように終始ウロウロしてはいたが、演者としても手数としても役に立ったかはわからない。とにかく猫の手も借りたいというような現場だったので、猫の手くらいにはなれたかなと思いたい。

そもそもよくわかっていなかったので楽屋でパンフレットをチラ見していたら、

賞金50万円だと!?

3月3日

役者の皆さんはようやくお休みとのことで、私はここぞとばかりにようやく夜勤。2週間ぶりの病院、そして2週間ぶりのサウナ。

3月4日

セットがなくなってガランとした稽古場で台詞合わせを行う。そしてそこからこれまた久しぶりの副業へ。ようやく帰れる〜と思った終業5分前に引きが強い山岸くんは大口を引き当て、ザンギョー。さすがに眠くなった。

3月5日

夜勤までのんびりして、夜勤へ。といっても、夜勤でものんびりしてる。

3月6日

下北沢で、若手演出家コンクールの他の団体の公演を観劇。現代アートから能の世界までジャンル不問。どこも素晴らしかったが、これを比べて評価するのは難しいのではないだろうかと素人ながらに思う。車で行ったくせにひまでビール飲んじゃったので、車を置いて電車で帰る。明日も下北だし。あ、下北で小倉くんに会った。高知の文旦とムッキーちゃんをくれた。ムッキー!!

3月7日

若手演出家コンクールの2回目の公演。搬入も本番も搬出も1回目より余裕があった。終わっていよいよ審査会。「山岸くんも出てみる?」と言われ、「なんだかおもしろそうだから出てみる」と言ってのこのことついて行ったら、これが想像以上に白熱した審査会で、えらいところに来てしまったとようやくことの重大さに気づく。ただただ萎縮する。

いよいよ審査が始まり、、、

なんと我らが陽永くん最優秀賞取っちゃった!!

さすがに泣いた。舞台に誘ってくれたのが昨年末。そこから打ち合わせをして本ができて稽古をして。稽古中に陽永くんのお父さんが亡くなって。この濃密な日々の果てにこんな奇跡が待っているなんて。

奇跡ではなく、紛れもない三上陽永の実力なんだけど、そこに立ち会えたことはぼくにとって本当に奇跡だと思う。何かをあきらめかけていたぼくに「人生はドラマチックなんだ」と伝えるために、もう一度奮い立たせるために、この人はぼくの前に現れたんじゃないかなとさえ思ってしまった。

この奇跡はプライスレス。

プライスレス。

プライスレス。

プライス!!!