やまぎ日報159

5月6日

電話が鳴り続けてウンザリする1日であった。

5月7日

夜勤。漫画家の同僚がイラスト1枚のギャラ交渉で悩んでいた。ギャラ交渉の難しさはミュージシャンも漫画家も同じだなと思った。相場もわからないくせに「もっとふっかけましょうよ」と随分無責任なことを言ってしまった。深夜の休憩中に腕立て伏せをする。

5月8日

夜勤。蛇、ゴキブリ、お化け。目が覚めた時に目の前にいたら一番嫌なものは何かという、どうでもいい議論を同僚と交わす。ぼくは圧倒的にお化けで、その次に蛇、ゴキブリだ。同僚はぶっちぎりでゴキブリらしい。「ではゴキブリが出たらぼくが何とかしますので、蛇とお化けはお願いします」という条約を結んだ。まぁゴキブリはあっても蛇は出ることないだろうと思ったら、数日前に守衛さんの部屋に出たらしい。勘弁してほしい。

5月9日

病院に地元の園芸屋さんから大量の花が届く。医療従事者の皆様へということらしい。夜勤明けで手に持って帰ろうとしたら、辞める人みたいになった。


連勤明け、眠ろうと思うのに意外と元気。ついに「いだてん」を見始める。

 

5月10日

約1ヶ月ぶりにもうひとつの職場へ。浦島太郎状態。研修講師の先輩がとてもやさしくて、自分も病院でこういう先輩でありたいと思った。おっさん同士で「ゴキブリと蛇とどっちがこわい?」なんて話をしてキャッキャしていてはいけない。

5月11日

夜勤。何も起こらない。何も起こらないので新人さんの研修もなかなか進まない。ついにぼくがひと肌脱いで患者役となり、「足を骨折して直接来院した救急患者」を熱演し山岸劇場を展開しようと思ったところ、本物の患者さんが来た。本物の患者さんは犬に顔を噛みちぎられていた。本物は想像の斜め上をいく。本物には敵わない。