歌が聞こえる

昨日忘年会からの帰り、電車に妙な酔っぱらいが私の向かいの席に座してましてね。イヤホンをしてご機嫌に鼻歌を歌っておりました。まぁそれくらいならよかったのですが、次第にその「鼻歌」が、およそ鼻歌とは呼べないくらいにボリュームが上がってきまして、周囲も皆心がざわついてきました。見てくれがけっこう強面なおっさんだけに、あまり深く関わり合いを持ちたくない感じでございました。

♪会いに来たよ〜会いに来たよ〜君に会いに来たんだよぉ〜

キャラに似合わず意外とやさしい歌。私も詳しくはありませんが、これは察するにバンプオブチキン。歌の合間(おそらく間奏部分)でおっさんが「いやぁいい曲だね!素晴らしいよ藤原くん!」と言ったので間違いないでしょう。しかし公共の場であまりに騒々しい。私は民度を疑いましたね。こういう民度の低い人が住む町には住みたくないものだと。その時、私は少しも思っていませんでした。まさかその後、おっさんとそのまま乗り換えを共にし、最終的に同じ駅で降りることになるとは。おっさんの熱唱は地元の駅に着いていよいよ絶唱レベルに達し、いつの間にかバンプからソウルフラワーユニオンに変わった歌声が、駅のロータリーに響き渡っておりました。

「♪ヤサホーヤ〜歌が聞こえる〜」

結局自宅に着く直前まで、遠く犬の遠吠えのように響くおっさんの歌声が呪詛のように聞こえておりました。ヤサホーヤ、歌が聞こえる…。

私、しっかりとiPhoneで一部始終を録音してあります。いずれここに貼り付けますのでお楽しみに。