花ともぐらの真実

大学時代のある夏の日、友人の高本努(仮名)とキャンパスを歩いていたところ、この高本努がふいに「ミンミンゼミの声が『死ね死ね死ね死ね』と聞こえる」と言い出しましてね。ものすごい被害妄想を抱えながら生きているんだろなと唖然としたことがありました。

最近私は赤坂で降りるたび、車掌の声が「浅はか、浅はか」と罵倒されているように聞こえます。久しぶりに高本努(本名)に連絡をしてみようかな。

さて、突然ですがウラニーノの曲に「花ともぐら」という曲があります。10年も前に作った曲なのですがね。ちょっと歌詞を読んでいただけますでしょうか。

 

「花ともぐら」

どんなにきれいだろう  どんなにきれいだろう

その花とそのもぐらは

いつでも隣にいるのにね

一度もね  一度もね

出会えたことがないの

その花は  その花は

お日さまが出ないと咲けないの

でももぐらはね  もぐらはね

お日さまに当たると死んじゃうの

もぐらは知っていたの  わかっていたの

花の命が短いことを

もぐらは今日も夜を待って穴から這い出して

月明かりに照らされた蕾を見上げため息をついた

どんなにきれいだろう  どんなにきれいだろう

あなたが咲いた姿は  どんなにきれいだろう

 

はい、ありがとうございます。絶対に会えない2人の切ない恋を描いたつもりだったんです。しかし、10年後にこんな形でこの曲の根本を否定されると思いませんでした。しかも「本人」に。

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もぐらの生態も調べずにこのような歌詞を書いた私はそれこそ「浅はか」でございました。