血の話

血を抜いてもらいました。そして自分でオーダーシートを記入し、採りたてホヤホヤのまだ暖かい自分の血液に自分でラベルを貼り、自分で業者に電話して検査の依頼をしました。

私は血を見るだけで貧血を起こすタイプのビビリでしたが、さすがに10年以上も病院でバイトしていると多少は慣れるものです。仕事とはいえ見たくない修羅場をいくつも見てきましたから…。

私はAB型です。AB型の血は貴重なんだという正義感に燃え、20代の頃はせっせと献血をしていました。献血センターで献血後に貧血を起こしてぶっ倒れたこともあります。まさに身を削ってますよね。

しかし、ある時友人と話していて、「AB型は少ないだろう?だからぼくはできる限り献血に協力しているんだ」と言ったら、「なるほど君の心がけは立派だ。しかし君、AB型は全体的に少ないのだろう?そうすると必要とする人も少ないことになる。絶対数こそ違えど需要と供給は他の血液型と相違ないのではないかい?」と言われました。ああ、なるほど。こいつは気がつかなかった。

いずれにしても自分の血が誰かの役に立ってくれるのならばそれは素晴らしいこと。久しぶりに献血に行こうかな。「二十歳の献血」というコピーがあるなら、「三十路の献血」があったっていいじゃないか。